9.先輩Mさんとのお話
元料理人でため息製造機でもある先輩Mさん。
Oさんと同じ世代で40代前半。肥満防止のために日夜腕立て伏せに励み大胸筋を育てることが趣味の2児のパパさんで当店の中古車専任セールス。
前の話に出てきたOさんとは休日も一緒に遊ぶぐらいの仲良し。
口癖は「なんでオレなんすかぁ!?」「ハァー(クソデカため息)」
もともと料理屋をしていた生粋の料理人。しかし、紆余曲折あって中古車販売店でセールスをやったり、回転ずしの板前さんをやっていたらしい。
そんな人がなぜ輸入車セールスをはじめたのか。
話はさかのぼって私が入社する前、当時のMさんは某中古車屋さん(ビッグなモーター)のセールスとして働いていました。
その業務の一環で、下取り車を中古車として買い取るために私のいた店舗によく通っていて…
そのとき2代目店長に気に入られたみたいで、ことあるごとに引き抜きの話をされていたそうです。最初は断っていたそうですが。
2代目店長「うちに入って!」
Mさん「イヤです!」
2代目店長「ケチ!」
みたいな感じで。
それからお子さんが生まれたのを機に中古車セールスをやめて、回転ずしの板前になったんですが…
そのお店に2代目店長が出現(複数回)。
2代目店長「うちに入って💛」
Mさん「帰れぇ!」
とか何とかいろいろあったらしいですが、結局Mさんが根負けする形で入社したそうです。
さて、そんなMさんとはじめて出会ったのは入社前の店舗挨拶のとき。
店長とOさん含め、いろいろなスタッフの人たちとにこやかに挨拶している中、1人黙々とパソコンを触っているMさん。
私「今週からこちらでお世話になるJenshinです!よろしくお願いします!」
Mさん「(パソコン触りながらチラ見して)ヨロシク」
私「(うわ。感じわるっ)」
Oさん「新人があいさつしとるんだから、ちゃんとあいさつせんかーい!(バシっ!)」
Mさん「痛った!!肩たたくことないじゃないですか!?こっちは仕事してるんですよ!?!?」
マネージャー「Mさんはお客さんだけに愛想がいいからね(笑)仕方ないよね(笑)」
Mさん「どういう意味っすか!?お客さん以外にも愛想いいでしょ、オレ!」
マネージャー「うはっ(笑)。怒った(笑)」
Oさん「いいからさっさと挨拶せんかーい!(バシっ!)」
Mさん「なんでオレを叩くんすかぁ!」
私「(OさんとMさんは仲が良いんだな)」
とまぁ、初対面の印象は悪かったです。
入社後、マネージャーが言うようにお客さんには異常に愛想がいいのを目撃します。
お客様の前ではよく「アヒャヒャヒャヒャ(笑)!」なんてよく笑っているんですけど、事務所に戻ると
Mさん「ハァー(クソデカため息)。あの客マジで何なの(怒)!?」
私「まぁまぁMさん。落ち着いて」
Mさん「ンフゥー!ンフゥー!」
私「(やばいなこの人…)」
とお客様の態度や言動にブチ切れてることも多々あり…
やっぱり印象はわるいままでした。
そんなMさんにも良いところはあって、仕事は非常にまじめで残業もいとわないスタイルの方でした。
特にMさんは中古車専任でセールスをされていたので、中古車購入層のお客様の接客術についてはとても勉強になりました。
Mさん「中古車購入層のお客さんは、すでにほしい車が決まっていることが多い。だからどれだけ任せても安心と思わせるか、“うちの店舗”の車ほしいと思わせるかが大切だ。」
この「思わせる」という点、要するに信頼を勝ち取ることですね。
私は特に“お客様の質問にはすべて完答する。分からない質問は先送りにせず、その場もしくは当日中に解決する”ことを最重要としていました。
お客様からしたら、その商品のプロと思っているセールスから質問の答えをはぐらかされたり「ちょっと分からないです」といった返事では余計に不安になりますよね。
仮に分からないことがあれば周囲の人に聞いたり連携をとることで、チームワークの取れた店舗であることもアピールできますし、やりようはいくらでもあるはずです。
地道であったり、やるべき仕事が増えるので大変ではあるんですが、Mさんからはお客様に安心して“うちの店舗”の車選んでもらうための実直さ誠実さを学びました。
なんでも自分1人で解決しようとしない、視野の広さが大切ですね。
後々、Mさんとは中古車販売でいろいろと協力していくことになるので、中古車の売り方・買い方については、また改めて1人のセールス目線から語っていけたらと思います。
さて
最後は一番お世話になった私の教育係でもある先輩Sさんの話です!
Sさんは今まであったことないタイプの人だったので、いろいろ緊張の連続でしたが(たくさん怒られましたし)、Sさんなくしてはセールスの私は成り立たなかったと思います。
それでは次回、奥さん+4人の彼女がいたSさんのお話まで楽しみにお待ちください。