元自動車セールスマンが大学院で博士号を取るまでの話

私のセールス時代の話と大学院での生活を中心とした回想録です

10.先輩Sさんとのお話

 

前回のブログの終わりに紹介した奥さん+4人の彼女をもつSさん

 

なんだかこの紹介文だけでお腹いっぱいになりそうですね。

 

まぁ気を取り直して…

 

Sさんは私がいた会社のトップセールスで、車と洋服,サッカーを愛する体脂肪率1ケタ台の細マッチョ。

普段はにこやかで面倒見のいい気さくな方ですが、いきなりプッツンすること(だいたい私が原因)と女性問題がたまにキズ。

 

そんなSさんは入社1年目の私の教育係ということもあって、正直書ききれないくらい多くの思い出があります。

Sさんとは下の名前が同じだったり洋服の趣味が似てたり共通の話題も多く、よく食事や遊びに連れて行ってもらったり、何かとよくしてもらった私の恩人です。

 

Sさんおススメのラーメン屋や穴場のサンドイッチ屋、Sさんのお客さんが経営している焼き肉屋…

私がやらかしたクレームについて謝罪への付き添い、私のつたない接客のフォローなどなど…

 

店舗の中では一緒にいる時間も長く、かなりの影響を受けた人なので思い出すと感慨深いですね。

いやぁ、当時の私は融通のきかない性格だったので、私の納得がいくまで本当に辛抱強く付き合ってもらったと思います(汗)

 

Sさんからは輸入車セールスとしての立ち振る舞いや身の恰好、お客様への気遣い、交渉術など、セールスとして重要な要素をすべて学びました。

そのおかげもあって入社4年目に差しかかるころ、メーカーのとある中古車の売上部門ではあるんですが全国2位に輝くことができました

 

Sさん様々です。本当にありがとうございます。

 

接客の指導はけっこう緩めだったんですが、Sさん本人のこだわりもあって立ち振る舞いやお客様への気遣いはかなり厳しく指導されたのを覚えています。

 

もうすごいんですよ。私の歩く姿からすべてチェックされていて、インカム(店内無線機)で…

 

Sさん「Jenshin、今、猫背になっている」

   「Jenshin、焦っても店舗では走らない」

   「Jenshin、奥さんを先に気遣わなきゃダメだろ」

    Jenshin、Jenshin、Jenshin、Jenshin、……

 

 私「うわあああぁぁぁぁ」

 

こんな感じで1年目は常にあたふたしながら日々の指摘をクリアしていました(汗)

正直、こんなところ気にする必要あるか?と思うことも多々ありました。

たとえば、契約書に記入してもらうペンは必ず高級品を準備する、季節に関わらずジャケットは必ず着用する、などなど…

 

ただ、これらはすべて特別感の演出に必要なことなんです。

 

Sさんはよく、輸入車を買い求めるお客様たちは他の人や車にない“特別なモノ・人とはちがうモノ”を求めている」と言ってまして、その1つが特別感だと言っていました。

 

私たちセールスは、お客様が求める特別感を演出する舞台装置でなければなりません。

「町の車屋さん」ではない、少しの非日常感を楽しめる空間を作ることが大切なんです

 

そのためにも、ちゃんとした小物をもつことや立ち振る舞いが洗練されている必要があるわけです。

中には緊張した面持ちで来店して、いざ入ってみると作業着のダウンを着たセールスに接客されたり、誰も出迎えに来ない・相手にされない経験をしてガッカリした人もいると思います。

 

Sさんは、そういった立ち振る舞い、とくに気遣いが完璧といっても過言ではなく、ユーザーの皆様からは絶大な信頼を得ています。

私もずい分鍛えてもらいましたが、一生比肩することもできないだろうと思います。

 

それに十中八九、女性にモテるのもこのパーフェクトな気遣いがなせる業なのだとも思います。

私は活かせませんでしたが(笑)

 

そういえばこの話を書いていて、気遣いの種類は2つあることに気づきました。

 

これは私の主観なので参考までですが…

1.相手が喜ぶことを想定して行う「気遣い」

2.相手によく思われたいまたは冷たい人と思われたくなくて行う「気遣い」

があることです。

 

この2つのちがいって、対人評価の捉え方がポジティブな方が1.で、ネガティブだったり少し歪んでいる方が2.のような気がします。

 

実際、2.の気遣いは上っ面だけなので、その場しのぎの考えが透けて見えるんですよね。

 

そう思うと、相手にとって何が必要なのか、どういう行動や言動をとることが相手の嬉しい気持ちにつながるのかを考える必要がある1.の気遣いを身に着けることができたのは、私の人生の財産といえます。

 

 

 

さて

 

次回は個性豊かな歴代店長たちをまとめて紹介しようと思います!

自由奔放すぎる店長から株大好きな店長まで、先輩3人にも劣らない個性豊かな店長たちを楽しんでいただけたら幸いです。

 

ちなみにどれぐらい自由奔放かというと、営業中に酒盛りをはじめちゃうぐらいです!

 

では、また次回をお楽しみお待ちください。

 

 

 

9.先輩Mさんとのお話

 

元料理人でため息製造機でもある先輩Mさん。

 

Oさんと同じ世代で40代前半。肥満防止のために日夜腕立て伏せに励み大胸筋を育てることが趣味の2児のパパさんで当店の中古車専任セールス。

前の話に出てきたOさんとは休日も一緒に遊ぶぐらいの仲良し。

 

口癖は「なんでオレなんすかぁ!?」「ハァー(クソデカため息)」

 

もともと料理屋をしていた生粋の料理人。しかし、紆余曲折あって中古車販売店でセールスをやったり、回転ずしの板前さんをやっていたらしい。

 

そんな人がなぜ輸入車セールスをはじめたのか。

 

話はさかのぼって私が入社する前、当時のMさんは某中古車屋さん(ビッグなモーター)のセールスとして働いていました。

その業務の一環で、下取り車を中古車として買い取るために私のいた店舗によく通っていて…

そのとき2代目店長に気に入られたみたいで、ことあるごとに引き抜きの話をされていたそうです。最初は断っていたそうですが。

 

2代目店長「うちに入って!」

  Mさん「イヤです!」

2代目店長「ケチ!」

 

みたいな感じで。

 

それからお子さんが生まれたのを機に中古車セールスをやめて、回転ずしの板前になったんですが…

そのお店に2代目店長が出現(複数回)。

 

2代目店長「うちに入って💛」

  Mさん「帰れぇ!」

 

とか何とかいろいろあったらしいですが、結局Mさんが根負けする形で入社したそうです。

 

さて、そんなMさんとはじめて出会ったのは入社前の店舗挨拶のとき。

店長とOさん含め、いろいろなスタッフの人たちとにこやかに挨拶している中、1人黙々とパソコンを触っているMさん。

 

  私「今週からこちらでお世話になるJenshinです!よろしくお願いします!」

Mさん「(パソコン触りながらチラ見して)ヨロシク」

  私「(うわ。感じわるっ)」

Oさん「新人があいさつしとるんだから、ちゃんとあいさつせんかーい!(バシっ!)」

Mさん「痛った!!肩たたくことないじゃないですか!?こっちは仕事してるんですよ!?!?」

マネージャー「Mさんはお客さんだけに愛想がいいからね(笑)仕方ないよね(笑)」

Mさん「どういう意味っすか!?お客さん以外にも愛想いいでしょ、オレ!」

マネージャー「うはっ(笑)。怒った(笑)」

Oさん「いいからさっさと挨拶せんかーい!(バシっ!)」

Mさん「なんでオレを叩くんすかぁ!」

  私「(OさんとMさんは仲が良いんだな)」

 

とまぁ、初対面の印象は悪かったです。

入社後、マネージャーが言うようにお客さんには異常に愛想がいいのを目撃します。

お客様の前ではよく「アヒャヒャヒャヒャ(笑)!」なんてよく笑っているんですけど、事務所に戻ると

 

Mさん「ハァー(クソデカため息)。あの客マジで何なの(怒)!?」

私「まぁまぁMさん。落ち着いて」

Mさん「ンフゥー!ンフゥー!」

私「(やばいなこの人…)」

 

とお客様の態度や言動にブチ切れてることも多々あり…

やっぱり印象はわるいままでした。

 

そんなMさんにも良いところはあって、仕事は非常にまじめで残業もいとわないスタイルの方でした。

特にMさんは中古車専任でセールスをされていたので、中古車購入層のお客様の接客術についてはとても勉強になりました。

 

Mさん「中古車購入層のお客さんは、すでにほしい車が決まっていることが多い。だからどれだけ任せても安心と思わせるか、“うちの店舗”の車ほしいと思わせるかが大切だ。」

 

この「思わせる」という点、要するに信頼を勝ち取ることですね。

私は特に“お客様の質問にはすべて完答する。分からない質問は先送りにせず、その場もしくは当日中に解決する”ことを最重要としていました。

 

お客様からしたら、その商品のプロと思っているセールスから質問の答えをはぐらかされたり「ちょっと分からないです」といった返事では余計に不安になりますよね。

 

仮に分からないことがあれば周囲の人に聞いたり連携をとることで、チームワークの取れた店舗であることもアピールできますし、やりようはいくらでもあるはずです。

 

地道であったり、やるべき仕事が増えるので大変ではあるんですが、Mさんからはお客様に安心して“うちの店舗”の車選んでもらうための実直さ誠実さを学びました。

なんでも自分1人で解決しようとしない、視野の広さが大切ですね

 

後々、Mさんとは中古車販売でいろいろと協力していくことになるので、中古車の売り方・買い方については、また改めて1人のセールス目線から語っていけたらと思います。

 

 

さて

 

最後は一番お世話になった私の教育係でもある先輩Sさんの話です!

Sさんは今まであったことないタイプの人だったので、いろいろ緊張の連続でしたが(たくさん怒られましたし)、Sさんなくしてはセールスの私は成り立たなかったと思います。

 

それでは次回、奥さん+4人の彼女がいたSさんのお話まで楽しみにお待ちください。

 

 

8.先輩Oさんとのお話

奥さんが大好きなOさん。

 

当時の年齢は40代半ば。体格のいい背格好で常に笑顔と冗談を振りまいている明るい人、車とお酒をこよなく愛するナイスミドル。

 

もともと医療系メーカーの営業をしていて管理職の話もあったのに仕事を辞めて、地元(私がいた店舗の町)に帰郷。

理由は奥さんと一緒にいる時間が減ってしまうから。

 

それくらい奥さんLove。

ちなみにOさんと遊びに行くときは奥さんもほぼ必ずセット。

おしどり夫婦ってこういう2人のことをいうんだなー

って、まだまだ結婚とは縁のない私は羨望の目で見ていました。

 

むしろ仲が良すぎて直視できない眩しさ。

未だにお互いのことをあだ名呼び(Oさんは奥さんのことを「○○っち or ちゃん」、奥さんはOさんのことを「○○ちゃん」と呼ぶ)できるのはすごい。

眩しすぎる!!!

 

そんなOさん。

車好きってことから、私にいろいろな車の良さをいろいろ教えてくれた1人でもあります。

そもそも車好きが高じて輸入車セールスになってますしね。

もとは私がいた店舗のお客様の1人だったっていうんだから、話を聞いたときは驚きました。

 

入社した理由は後々の歴代店長たちの紹介でお話したいと思います。

 

あと私のいた会社は、もともとお客様だった人が社員になることがそこそこある不思議な(?)ところでした。

 

Oさんとの印象深い出来事は2つあって、1つが「ウィスキーのチェイサー」についてで、もう1つが「忙しいときにすること」です。

 

ウィスキーのチェイサーというと、お酒を飲む人はご存じかもしれませんが、ウィスキーを飲むとき一緒に出てくる口直し用の水が一般的かなと思います。

 

私もそう思っていました。Oさんとバーに行くまでは

 

ある日、Oさん行きつけのバーに行くことになりまして

 

Oさんに連れていかれたバーは、ハードボイルド系の洋画のワンシーンにでてきそうな洒落たお店。

席に着いたところで、こんなところにお洒落なお店があったんだなーと、何とはなしに思っていると、

 

Oさん「マスター。いつものお願いねー」

マスター「かしこまりました」

 

と、Oさんが注文して出てきたものはウィスキーのストレートと黒ビールの2セット

 

  私「Oさん。なんでウィスキーと黒ビールが2つ並んで…、チェイサー(水)はどこに…?」

Oさん「え?こいつ(黒ビール)がチェイサー」

  私「え?いやこれ、黒ビールって単体で飲むものじゃ?」

Oさん「ウィスキー飲んだ後に追い黒ビールが良いんだよ!

  私「マジですか」

 

アルコール摂取してさらにアルコール追加するとか「正気かこの人!?」と思いました。

まぁ、ウィスキーのチェイサーとしてビールはありらしいとは聞いてましたけど、それってピルスナー系(アサヒとかキリン)の話で、泡も本体も濃密なスタウト系(黒ビール)はいかんでしょ!

追い黒ビールって何なんだ!

 

もちろん、その日はぐでんぐでんになってしまい、案の定二日酔いとなりました。完。

 

 

もう1つの出来事は「忙しいときにすること」。こっちは真面目な話です。

これは私が店舗配属されて間もないときに教えてもらったことで、今現在もスケジュールが詰まっているときに大切にしている考え方です。

 

当時の私は、接客業とは常に動きながら次にとるべき行動を考えたりするものだと思っていました。

ただ、はじめての接客業を経験する私では、このような考え方だと目先の出来事しか追えなくて、いつも来店いただいたお客様への対応が後手に回ることがほとんどでした。

 

そんなとき、Oさんからこんなアドバイスをもらいました。

 

Oさん「いいかJenshin。忙しいときこそ、一旦落ち着いて周りをよく見渡すといい。そうするとどこに人が足りなくて、どこに余裕があるのか把握できる。それから自分の取るべき行動を整理して取りかかるといいぞ」

 

自分にとってはまさに目から鱗で、大事なことに気づかされました。

それからというもの、この考え方を大事に接客対応することができるように…

 

…なったわけではなく(汗)

 

時どきパニックになりながらも、地道に焦らず周囲を見渡して状況判断できる余裕をもつようになっていきました(笑)

 

 

 

さて

 

今回はOさんとのお話でしたが、この後もOさんはいろいろなお話に登場するので、覚えてもらえたら嬉しいです。

 

次回はため息製造機の先輩Mさんとのお話をしようと思います。

 

それでは、次回の更新を楽しみにお待ちいただけたら幸いです。

 

 

7.自動車セールスはキャラクターが濃い人ばかり

 

世の中にはさまざまな職業があるので、その職業の数だけ個性的な人たちがいると思います。

 

自動車セールス、特に輸入車を扱うセールスたちもその中の職業です。

 

まぁ、個性的というか行動が面白い人が多いというか(笑)

 

私が入社した当時、輸入車セールスは中途採用が多いようで、変わった経歴をもっている方も多いです。

特に変わった経歴をもった方は、前回のブログで挙げた「兼業漁師セールス」さんとかですね

 

このセールスさんとは直接お話したことはないんですが、研修先で同僚の方からお話を聞いてとても驚いた記憶があります。

なんでも深夜から明け方に漁に出て、それから出勤して普通に働いているらしく、とてもパワフルな方らしいです。

 

あと特殊能力(?)の持ち主らしく、車を買いそうなお客様がにおいで分かるようで、

「こっちのお客はにおうな!い~い(金の)においがする!‥‥あっちの客はちがうかなぁ。こっちいこう!」

といって、いい(お金の)においのするお客様の方に行くと必ず成約してくる人らしいです。

 

面白おかしく聞いていましたが、本当にこんな人がいるのか疑ってしまいますね。

私は半分くらい脚色していると思っていました(笑)

 

でも世の中不思議なもので、私の周りにも、というか三代目店長がそういう部類の方だったので、経験のなせる業というか本当に特殊能力じみていて驚きの連続でした。

 

他にも県庁職員から転職した人や自衛隊から転職(?)した人もいたり…

この人たちとはメーカー研修で知り合った他県の方ですが、メーカー研修のお話とあわせて別の機会にお話しようと思います。

 

じゃあ、他にはどんな人たちがいたのか?

枚挙にいとまがありませんが、特に印象深かった人たちが以下の通りです。

 

・彼女4人持ちの先輩S(既婚者)

・自動車好きが高じてセールスに転職。奥さんLoveな先輩Oさん

・元料理人の先輩Mさん

・営業中に飲むお酒が一番!初代店長

・ブチ切れメカニックIさん

・超おしゃべり好きなFさん

・土下座営業のAさん

 

などなど、多くの人たちがいますが、皆さん根底にあるのは「車が大好き!車Love」という気持ちでした。

私は特に車が好きというわけでなく、自動車販売職に就いたので、この点では見習わないといけない姿勢を多く学んだように思います。

 

次回はこの人たちとの交流を中心としたお話をしようと思います!

私のセールス時代がやたら濃いのは、この人たちのおかげかもしれません。

それでは、また次回の更新まで楽しみにお待ちいただけましたら幸いです。

 

6.開店準備は実働時間に含まれない

 

働きだして最初に思った疑問は

 

自分の会社の実働時間は何時間だろう?

 

でした。

 

私のいた店舗の営業時間は9時30分~18時の7時間30分労働でした。

まぁ、そんなはずはありませんが。

 

 

私「9時30分営業開始なんで10分前くらいに出社すればいいですか?」

店長「なーにいってんの!8時30分には来なさい!」

 私「 」

 

私は正気を疑いました。

 

 

なぜこんな早くに来なければならないのか

(朝弱いから)もっと寝ていたいのに…

 

 

これは読者の方に自動車セールスをしている方がいらっしゃったらご存じかもしれませんが、車屋の開店準備はとても時間がかかるんです。

 

簡単に言えば、朝の開店準備は屋内外の展示車清掃(洗車)とショールーム・整備工場・駐車場の清掃を行います。

ただ、私のいた店舗では屋外展示車が多く、1台1台丁寧に洗車していたので開店準備にとても時間がかかっていました。

 

それから開店準備が終わってから各自の業務準備をするんですが

 

 私「あれ?店長。出退勤を記録するタイムカードが見当たらないんですけど」

店長「あぁ、あれね。そういえばいつの間にかなくなってたね。

   まぁ気にしないでいいよ。はい。こっちにハンコ押して」

 私「…店長。これは。」

 

渡されたものは出勤簿でした

(ラジオ体操に出席したら押してもらえるスタンプカードをイメージしてください)

 

今の時代に出勤簿!?

勤務時間管理できないだろ!というか、さっきの開店準備は労働時間に含まれるの!?

 

と、いろいろ疑問が出てきたので店長に聞いてみました。

 

 私「店長!これ(出勤簿)、出退勤の時間が管理できないんですけど…」

店長「そうだね。できないね」

 私「さっきの開店準備、1時間もかかっていましたけど労働時間に含まれますよね」

店長「そんなわけないでしょ!開店準備は“開店準備”!実働時間は今から!

   ちなみにお店は18時に閉まるけど、それ以降の仕事はサービス残業だから。

   わかったね!」

 私「 」

 

これがブラック企業か…。

現代社会の洗礼を受けた気分でした。

 

タイムカードが存在しないとかサービス残業は中小企業にはよくある話らしいのですが…

いや、今の時代よくあっちゃいけない話でもあるんですが(汗)

新卒1年目の私にとっては十分衝撃的でした。

 

ちなみに出勤簿の管理も相当いい加減もといゆるーいもので…

 

   お局「Oさーん!また出勤簿が2週間分押されてないんだけど!」

先輩Oさん「いっけね、忘れてたわ(笑)お局さん、俺の代わりにハンコ押しといてー!」

 

と、本人以外も押せるし、何なら押さなくてもあまり支障がないような存在

 

始業時間についてはかなり思うところがあったので(お金も発生しないですし)、何とか遅くできないか、あわよくば消滅できないか闘いました。

 

そして4年の月日をかけて、短くすることに成功しました!

 

20分だけ(泣)!

 

力及ばず始業開始が8時30分から50分に変更することが精一杯でした…

 

 

 

さて

 

現在では残業規制が厳しくなったこともあって、中小企業も少しは職場環境も改善されてきているのではないかと願うばかりです。

 

ただ実態としては私がいた店舗のように、そもそもタイムカードを置いていない会社はどう対処しているのか気になるところですね。

 

 

 

 

 

さて(2回目)

 

次回は自動車セールスはなぜか濃いキャラクター性をもっていることについてお話しようと思います。

自動車セールスの方は中途採用の方も多いので、面白い経歴をもたれています。 

 

私が1番衝撃だったのは、兼業漁師をしながらセールスをされている人でした!

それでは、また次回。

 

 

5.セールスマン時代

 

晴れて入社することができた私は、自動車販売代理店(ディーラー)で働くことになりました。

 

正直にいうと、入社したての頃は大学院に進学したい気持ちがとても強かったので、さっさとお金を貯めてさっさと辞めるつもりでいました。

 

しかし人生分からないもので、働いているうちに仕事の面白さや難しさ、お客様との交流を経験してどんどん仕事にハマっていき、気づけば4年半ほど在籍していました。

 

当初の予定では2年で辞めるつもりだったので、予定の年数より2倍以上いたことになりますね。

いやぁ、いざやってみると接客業って面白いですね。難しいですけど!

 

まぁ、本来の目的が大学院進学なので完全に道草くっていたわけです。

ただ、このときの経験は今の私にとって必要であったと常々感じています(良くも悪くも)。

 

そうです。

私にとって“一番の近道は遠回り”でした。

JOJO第7部のジャイロ・ツェペリより引用)

 

人生で無駄に思える時間や作業は確かにありますが、そこに意味を見出すことができるかは、いつだって自分次第でした。

今、大学院で過ごして思うことは、おそらくセールスマン経験を積まずにストレートで進学していたら、途中でダメになっていた可能性が高いように思います。

 

そう思う理由も、当時の私はとび抜けて頭が良いわけでもなく、要領がいいわけでもないのに自信たっぷりな自信過剰・傲岸不遜な性格でした(汗)

心理学的にいうと仮想的有能感が高いタイプですね。

 

そんな性格も職場の先輩方やお客様とのやりとりを経て、なんとか矯正されて真人間ぐらいにはなれたんじゃないかと思います。わりと切実に。

 

 

 

さて

 

今回はセールスマン時代の導入みたいな話だったので、次回は私が入社してすぐに思った疑問をテーマにしようと思います。

 

 私「あれ?会社って出退勤したらタイムカードとか押すんじゃないですか?」

店長「あぁ、あれね。そういえばいつの間にかなくなっててね。だから、気にしないでいいよ

 私「!?」

 

それでは、次回を楽しみにお待ちいただけたら幸いです。

 

 

4.はじめての就職活動

私が就職活動を始めたのは、東日本大震災リーマンショックの影響でやってきた就職氷河期が収束に向かいつつあるときでした。

 

当時の私は大学院の進学準備と並行して就職活動を行っていました。

私の大学では、大学院進学と就職内定の2つをゲットした人はいなかったため、「進学も内定も手にしてやる!」と息巻いていたように思います。

 

まぁ内定しか手に入れられませんでしたが

 

 

 

(笑)

 

 

 

さて

 

本題の私の就職活動(以下、就活)ですが、当時は就職氷河期の名残もあって都心部や都市部の就活生はエントリー50社以上なんてザラでした。

 

それだけ買い手市場であり、就活生は苦戦することも多い時期でした。

 

肝心の私はというと…

 

5社だけエントリーしました。

 

当時の流れと逆行した少数選抜で就活戦線に臨みました。

今考えれば、ずい分無謀なことをしたなぁと思います。

 

当時の就活時期は、

3年生12月に情報解禁+就活スタート → 1月末:ほぼ大企業内定で終わる → 2~6月:各企業で内定出始める→ 7~9月:就活終わってないとヤバい

 

という、感じでした。

今の就活状況とはずいぶん違いますね。時代を感じます。

 

 

 

私の就活状況をダイジェストでお送りすると‥‥

 

 

3年生10~12月(おそらくの日程)

就活に向けた資格取得勉強。

取りやすいという理由で秘書検定と販売士3級試験を受け、合格。

なお、あってもなくても問題ない資格な模様。

 

 

3年生12月~1月

はじめての大企業受験。履歴書を行きの新幹線で作成するも万年筆の難しさになれず、汚損。

1次試験のグループ・ディスカッション開始30分前になんとか仕上げる。

なお、この企業は落選した模様。履歴書を作成した意味は?

 

 

3年生3月

地元優良企業(ゼネコン)の2次面接を受ける。

首の太さが頭と同じガチムチ面接官によるプレッシャー面接に屈し、落選。

正直、落選して良かったと思っている。怖かった。

 

 

4年生4月

1次試験を兼ねた企業説明会(輸入車販売)に参加するため、バスと電車を経由して現地に赴く。

しかし、駅に到着した時点でジャケットを着ていないことに気づき(?)、説明会参加を断念する。

なぜ家を出るときにジャケットを着ていないことに気づかなかったのかは、今でもナゾ。

なお、受けようとしていた会社は後にとんでもないブラック企業だったことを知り、戦慄する。

 

 

4年生5月

とある田舎県の国産自動車販売の会社を受験。

グループ面接時に輸入車興味ある?」と聞かれて、まっったく興味ないのに(あるといえば評価あがるかもしれない…)と思い、「ありまぁす!」と答える。

後日、輸入車部門の人事担当から電話。

人事(のちの部長)「1週間後、面接しない?」

        私「!?」

 

面接を受けに行くも電車の関係で1時間以上早く会社に到着。

面接会社にて(暇だなぁ…)と思いながらしばらく待っていると、後にお世話になる常務取締役が到着。声をかけられる。

常務「君が受験者?」

私「はい!」

常務「他の人は?」

 私「まだ私しかきていません!」

常務「じゃあ君にする!」

 私「はい!…え!?!??

 

ということで、G.W.後ぐらいのタイミングで内定をもらい、私の就活は終了しました

受験者で1番早く来てたから採用って…

今思い返しても、常務はすごい方だったと思います(笑)

 

私の場合、受けた企業の数から内定までの経緯までレアケースだと思うので、こういう成り行きもあるんだなと思ってもらえたら幸いです。

 

ただ、この就活もそうですし、今後のセールス時代の出来事もそうですが、人との縁やタイミング1つで人生が大きく変わる経験をしました。

いやぁ当時のことを思い出すと感慨深いです。

 

 

 

さぁ、内定したは良いものの、私の人生にとってここからがとても大変で刺激に満ちた日々が始まりました。

 

社会の厳しさ、中小企業にありがちな独自ルール、残業ってなに?タイムカード?、個性的なお客様たち…

 

話題に事欠かないことだらけの日々でした。正直、今の大学院生活より刺激的だったように思います。

 

それでは、次回からはセールス時代のお話をお届けします。